200年前のヘアのひみつ

200年前って言うと…江戸時代!?確かに、女性も男性も髪の毛をまとめているけど…

そのまとめ髪、どうやってお手入れしていたか気になりませんか?今回は200年前に思いを馳せてみましょう。

女性の洗髪

江戸時代、長い髪の毛をきっちり結っていた女性たちは、どのように洗髪をしていたのでしょうか?石けんすらない時代ですから、洗ってないのでは?と思う方も多いかもしれません。

実は、彼女たちはうどん粉ふのりで洗髪していたんです。

え〜!うどん粉!?あの、うどんを作るやつ?

そうそう、あのうどんを作るやつです。うどん粉にはグルテンという粘り成分が含まれていて、こねるともちもち弾力が出てくるのです。ふのりは、漢字にすると布海苔。海藻ののりを煮ることで、こちらも粘りが出てくるんですよ。

これらを一緒に混ぜ合わせると、シャンプー代わりになるのです。ねばねばで汚れをこそぎ落とす…というとわかりやすいですね。仕上げは熱いお湯でしっかり洗浄。髪の油もニオイも取れてスッキリ、という寸法です。

実際にこれらをやるのは1日がかりというかなりの大仕事。それが10日に一回ペースというんだから、女性はたまったもんじゃありません。

江戸の女性たちってすごかったのね…今のロングヘアーと比べ物にならないわ。

一言メモ
ちなみに、男性の場合は月代(さかやき)と呼ばれるまげが有名ですよね。彼らはしっかり髪結屋にいき、整えてもらっていたそうです。今の男女とは真反対のようですね。

江戸のファッションリーダー

ところで、ぽーちゃん、江戸時代のファッションを牽引していたのは誰か知っていますか?

知ってるわよ!遊郭の女性たちでしょ!

さすが!正解です。遊郭にいる女性たち全員、というわけではありません。太夫や花魁と呼ばれた格式高い遊女たちが、女性の憧れの的だったのです。

一言メモ
特に花魁に選ばれるのは数百人の中からひとり。彼女たちに求められたのは、教養です。まず、読み書きは必須。当時女性の識字率は低かったものの、彼女たちの識字率は100%でした。そのほか華道や茶道、将棋もお琴の技術だってあります。博識のエリートたちを相手にするには、生半可な気持ちではできないですね。

花魁たちは女性の世界でいかに自分を美しく、目立たせるかを研究しなければいけません。よって常に彼女たちがするファッションや髪型は世の中の女性たちの憧れでした、つまり今でいうモデルのような存在です。

花魁たちが生み出し、派生していった髪型は300以上になると言います。

兵庫髷。うなじの後ろから髪を結い上げ、頭の上まで積み上げた結い方です。兵庫の花魁が始めたことからこの名前がつけられました。

横兵庫。縦に結い上げる兵庫髷に対して、横兵庫はその名の通り横結いです。左右に張り出した髪の毛を、綺麗に整えて、ちょうちょのように仕上げるのが特徴。

現在にも伝わる結い方。和装の結婚式でも披露されることが多いです。シンプルさゆえ人気もあり、数え切れないほどの派生が生まれた髪型でもあります。

人気遊女の勝山という女性が始めた髪型。あまりの人気さゆえに既婚女性もこぞってこの髪型をしたと言います。非常に上品な見た目で、一般女性にも普及しました。

みんな一緒に見えるけど、ちょっとずつ違うのよね…彼女たちのこだわりが垣間見えるわね。

彼女たちの髪を結うため、「女髪結師」という職業も誕生しました。まさに花魁たちは時代を牽引したファッションリーダーといえますね。

みどりの髪の毛?

黒髪が綺麗な人に対して、「みどりの黒髪」というのを聞いたことがありませんか?

古来から日本には色を表す固有の言葉がなく、光の明るさや濃淡などを赤・黒・白・青の4色に当てはめて表現していました。ですから、「みどりの黒髪」というのは本当に緑色、というわけではないんです。

へ〜!じゃあ、みどりは何を表しているの?

みどり、ときいて思い出すのは4月から5月にかけてさく新緑のわかばではないですか?つまり春の新芽や若い枝のようにみずみずしい様子を表した言葉なのです。最近はあまり言わないですが、生まれたばかりの赤ちゃんをみどりごというのも、それに由来しています。

じゃあ、昔は最高の褒め言葉だったのかもしれないね!私も言われてみたいなあ!

そうですね。今まで勉強してきたことを生かして、みんな、みどりの髪になれるといいですね!髪の毛だけでなく、教養も、大切ですよ。それが魅力的な女性になるための第一歩ですから。

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