筑波大学にて
肘を大きく開いて作業すると腰をねじって作業することになるので
腰や肩に負担が生じ、腰痛や肩こりの原因となります。
先程も書きましたが肘を大きく開けば開く程、作業ポイントが体に近くなり作業がしづらくなります。それを避ける為、腰をねじって作業ポイントを体から離そうとしてきました。
業界のルールに忠実にすればする程、腰に大きなダメージが生じてしまいます。
若ければ耐えられるでしょうが、30歳を過ぎると負担が増してきます。
新美容出版社の社長と対談した際、この問題についてさらに科学的論拠を深めようという話になり、筑波大学に打診したところ、スポーツ科学の検知から「負担を掛けずに作業するための美容師の身体の使い方」という問題に取り組んで見ることが決まりました。
そして2年前、筑波大学の教育学部の先生達と共同でモーションキャプチャで再度実験を行いました。
結果は明白で、美容師の間では常識であったスライスに平行に肘を大きく開いてのカットや
ワインディングの作業姿勢は、身体に過度な負担が生じていることが判明しました。
さらに前記したように、肘を大きく開くことで作業ポイントが近くなるので、腰をねじって作業ポイントを確保することになり、腰に大きな負荷が生じます。
上半身を固定して作業することで、当然足も固定されてしまいます。
結果として引き出した毛束がねじれてしまい、狙い通りのシルエットができなくなります。
ヘアスタイル作りにセニングシザーを使っての質感調整は目的があるので理解できますが
シルエットの汚さをセニングシザーで髪を空いてごまかす作業は、プロとして論外ですよね。