美容師にとって効率的なフォームとは?

美容師の技術向上のために

現在、私がチャレンジしていることを紹介したいと思います。
美容技術の習得期間を短縮することです。

カット技術を早く、正確に覚えるためには、カットするときに毛束をねじってはいけません。
そのためには、足→腰→肘→手首(手)の順に体を動かすことが重要です。

毛束の髪は細く、量もあるのでねじれて切っても分かりませんが、
切り終えた毛束は落ち着きが悪く、シルエットもきれいではありません。

今の時代はセニングシザーを使うと誤魔化せるのですが、元々の繋がりがきれいではないので、シルエットが長持ちしません。

カットウィッグを使って指導していたときに気付いたのですが、髪が根元から動いたりねじれる原因は、美容師の身体の使い方にあるのです。

髪を正確に切る為には髪を持つ側の肘は必ず締め、身体の重心移動と足の運びを使うことが大切です。
それを実践することによって、身体に負担をかけず、正確に早く作業を行えると私は信じています。

この考えを美容業界に浸透させるべく、7~8年前から講習会も行っていましたが、当時から美容師を始めとして、メーカー、ディーラー各社の行う講習は、肘をスライスに平行に開くことがサッスーンカットの基礎であり、美容師の基礎だという考えが蔓延しており、私の考えは理解していただけませんでした。

業界誌各社も両肘を大きく開くことが定説であると唱え、
それが美容師の基本の型と言わんばかりに掲載され続けていました。

という訳で、業界全体からは異星人なのだろうと思ったので、東京大学にアポを取り、
教育学部の院の教授を紹介していただき、肘や身体の使い方で毛束が動くことをモーションキャプチャを使って実証していただきました。

さらに、一昨年は新美容出版社の社長の出身校である筑波大学にも協力していただき、モーションキャプチャを使用して検証を行いました。
その結果をもとに、美容師にとって負担をかけずに作業できる身体の使い方をテーマに、新美容出版社の雑誌で特集を組んでいただきました。

しかしながら、未だに業界の壁を壊すまでに至っていません。

美容学校の教員にも指導に行くのですが、
国家試験の合格率が最優先なので、なかなか理解するまでに至らず残念です。

これも自身の努力不足と知名度の低さ、さらにネットワークの構築を怠ってきた結果であると反省しています。

中国发博会にてデモンストレーション

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