毛糸が髪の毛に変わったお話

(5)ニットパネル

私は美容師で、経営者でもあります。スタッフは45名です。1人ずつ大切に育ててきました。
一定の品質をお客様に提供できる美容師を育てることはとても重労働ですし、忍耐が必要です。

人間は物ではないので感情や個性が様々です。
器用な子不器用な子もいますので「PORICA」ポリカという練習器具を開発し、販売も講習も行っています。
カットの塾も作り、小学生から指導しています。

ポリカでは紙を切ることでねじれやグラデーション、セイム、レイヤーを教えられましたが、より髪の毛に近づける練習方法を考えたとき、毛糸が頭に浮かんだのです。
ポリカ用に毛糸を使ってみましたが、羊毛2~3本をねじって毛糸にしているのでコームを通すと引っかかり、扱いにくいものでした。
さらに、毛糸は引っ張ると伸びるのでカットラインが不揃いになり、教育効果が弱くなるのが欠点でした。

研究を重ねた結果、毛糸を自然由来のタンニンで特殊加工し、髪の毛に近い仕上がりにすることができました。
コームをスムーズに通せて、ハサミで切った切り口もラインがきれいな毛糸が遂に完成したのです。
切った感触も髪に近いです。また、パネルのねじれも発見しやすくなっております。

今年の春から発売しようとしたのですが、コロナの大流行によって商品の説明会や広告ができないまま、今日を迎えてしまいました。

塾の小学生達に好評なので、カットの練習に費用がかかりすぎている人や技術の理解に苦しんでいる人達にも、きっと笑顔で使っていただけると信じています。

カットの練習を難しいと悩む人が多いのですが、なぜ難しいかというと、パネルを無意識にねじって切っているからです。
ねじって切るとシルエットがガタガタになります。

コームを通せるのでよりリアルになり、ねじれもカットのシルエットも理解することができます。
ただ、ヘアスタイルは作れないので、最後はカットウィッグを使ってください。

カットで悩んでいる勉強熱心な若者に是非このブログを見てほしいです。
そして、早くヘアデザイナーになって、自分もお客様も笑顔で楽しく仕事ができるよう願っています。


毛糸は現在特許出願中です。
丹精込めて作ってますので大事に使って、費用をかけずにデビューしてください。

ニットパネル使用イメージ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。