東京大学と協同で美容師の作業特性を科学的に解明
常々言っておりますが、美容師の技術をレベルアップするためには科学的に教育することが重要です。
現在まで美容業界全体がヘアスタイルという形を追いかけて、それを中心に教育してきたため、高品質な作業を理論的にではなく、感性感覚という抽象的な方法で教育を行ってきました。
その結果、教育効率が悪く、何年も何年も我慢をして技術を習得する必要がありました。
6年前に東京大学と協同で、美容師の運動特性の研究を開始しました。
そして偶然、別の教授のグループの『左腕の特性について』という論文があるのを見つけて、【左腕を有効に使うと、右腕に比べて2倍の早さで学習力が身に付く】ことが、脳科学で解明されていたことを知りました。
平成26年の秋、日本バイオメカニクス学会にて「髪を持つ側の肘をパネルに平行に開くことの問題点」を論文として、「美容師の身体運動科学における肘・腕の使い方」について発表していただきました。
そこで「髪を持つ側の肘が体から離れると毛束が動いたり、ねじれたりしやすい」という結果が出ました。
毛束がねじれると形のシルエットが崩れ、繋がりが不自然になり、自分の思い描いたシルエットとは違う形ができあがります。
お客様も手入れがしづらいですし、そうなると失客に繋がります。
運動と脳の両面から、美容師の作業方法を見直すことで非常に短期間に基本技術の習得が可能になりました。
現在、一人一人のお客様の要望は多岐に渡り、これに応えられ、喜んでいただく作業を習得するには最低でも2年~3年かかります。基本的な技術を早く習得させ、あなたのステキを追及することに多くの時間をかけた方が、美容師として充実した毎日を送ることができるのではないでしょうか?
まだまだ微力ですが、頑張りたいと考えています。